そのルールは本当に必要? 何故ルールがあるのか考えたことはあるか

医療業界における清潔のローカルルール

各業界には独自のローカルルールがあり、他の業界の人が耳にすると意味を誤解してしまうことがよくある。その例として医療業界で用いられているものに清潔、不潔という言葉があるので、どんな意味なのかを理解しておく必要があるだろう。一般的な感覚としてはトイレに行って用を足した後、まだ手を洗っていないならその手は不潔だと感じるだろう。そして、石鹸を使って手を洗ったら清潔になったと考えるのが普通だ。人によって少しずつ感性が違い、石鹸を使わなくても水洗いしたら清潔という人もいれば、アルコールで消毒までしてようやく清潔になったという人もいる。

医療業界ではアルコールできちんと細かなシワの中まで消毒してようやく清潔を言えるようになる。そして、その手で扉に触ったり、髪の毛に触れたりしただけで不潔と言われるようになるのだ。何かに触れただけで不潔だと言われてしまうと業界外の人からは反感を買うことに繋がりかねない。

医療業界では清潔は単純にきれいなことを示すのではなく、無菌状態を意味しているのが特徴である。滅菌しても何かに触れただけで不潔となる例をあげると、手術をすることはできない状況のことである。感染を起こすリスクがある状況かどうかによって清潔か不潔かが判断されているとも言えるだろう。このようなローカルルールを理解していない医療業界外の人が聞くとおかしいと感じてしまうかもしれない。しかし、現場ではこのような厳密さが必要とされているのだ。